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1年とズンドコパラダイス

自担・藤井流星くんのデビューが決定した2014年2月5日からおおよそ丸1年、本日ジャニーズWESTの3rdシングルズンドコパラダイスの発売日を迎えた。


初めてこの歌を耳にしたのは1月2日の横浜アリーナでのコンサートにてだったが、正直これと言って好きでもなければ思い入れもなく、と言った感じだった。
むしろ今も「ズンドコパラダイスとは結局どんなパラダイスなんだ」と思うくらいで。

ええじゃないかはデビュー曲に相応しすぎると思ったし、ジパングおおきに大作戦はちゃんと意味があって分かりやすい。夢を抱きしめては流星くんの初主演ドラマの主題歌なだけあってこれ以上ないくらい強い思いを抱いてる。
うーん、ズンドコパラダイスねぇ。でもキャッチーだし面白い、よく分からないところがなんとも言えない。みんなが大好きなC&Rもある。文句はなし!

そうして、横浜アリーナ日生劇場で聴き慣れてしまったタイミングで迎えたフラゲ日。
じわりじわりと”あの日”が近付いている、そんな最中私は早速CDをパソコンに挿入し楽曲をWALKMANに入れる。
何となく流れ始める、「ズンドコパラダイス」。
いやしかし、初めて聴いた時から思っていたけど1番に流星くんのソロパートがあるのは本当に嬉しいなぁ、Mステ楽しみだなぁなんて思いながら、既に聴き慣れた旋律を流すように聴く。


そしてカップリングに突入。


初回A、B、通常盤全てに収録されている「SAKURA~旅立ちのうた~」。
イントロがどこか懐かしい、ギターソロの単音が印象的なのにバラードは崩してない。

そして重岡くんのソロパート。しっとりとしていて曲にあってる。次に神ちゃんのソロパート。自然な流れだけど、よく考えれば意外と無いバトン繋ぎだ。そしてそこから、流星くんにそのバトンは渡される。
思わず一時停止してしまった。下手だから聴くのをやめたわけじゃない。ここで、全く新しい流れが出来ていることを確信させられる。

今までの流星くんのソロパートといえば、4人のソロパートのあと3人のソロパートがあって、形式的な流れに従って歌っている(歌わされている)ような流れが普通だった。
しかしこの曲は違う。法則とか形式とかとは全く関係のない流れを、彼が優しくて甘ったるい声で教えてくれた。

ちゃんと聴かなくては、と再生ボタンを押す。少し巻き戻しして、もう一度自担のソロパートに聴き入る。

「もう一度 君の言葉 思い出して 涙溢れ」
今までにない歌で、今までにない歌い方をしている。高音ハモとよく合ってる。この声は濵田くんかな?すごく上手でくどくない…。
このワンフレーズに私は感動しきってしまった。

そうして望のソロパートに受け継がれる。旧7WESTのソロパートに花をそっと添えるようなお兄さんの高音がたまらない一番が終わる。

サビの中にもちゃんと流星くんの声を微かに感じる。今までにはなかった。
さっき高音を担当していた濵田くんのソロパートも綺麗で上手。

サビが終わるとまたギターの単音間奏。かっこいい。

次は旧B.A.Dのソロパートかな?と”法則”に乗っ取り予想してみると、
「そう 愛しい君を 失う怖さの中で」
さっきも聴いた、鼻にかかった低くて甘くてたまらなく好きな歌声が聴こえてくる。予想を裏切られ、また私は一時停止ボタンを押しそうになるが堪える。
すると淳太くんにソロパートは引き継がれる。高音は望かな?これもまたすごく綺麗。ここで照史くんに引き継がれると思ったら濵田くん。
法則に従ったソロパートの羅列に不満を抱いていたはずが、規則にとらわれていたのは私の方だったと気付かされる。

そういえば、関ジャニ∞の楽曲を「すばるの次はヤスくんだろうな」なんて思いながら聴いたことがない。
ジャニーズWESTはやっと、ひとつ壁を乗り越えていた。

あの後にも流星くんは2回ソロパートを担当していて、正直驚いている。「青春ウォーーー!!」「Time goes by」にも、今までの規則に逆らったソロパートの流れがなされていて、流星くんのソロパート数は周りとようやく肩を並べた。

流星くんといえばDVDにも全然映らないしソロパートもなかなか貰えない、それどころかサビすら歌っているかどうかというレベルのメンバーだと思っていた。
それが嫌ではあったけど最近は受け入れていたし、それも”キャラ”になるかなぁと思っていた。


あの日の感覚に少し似ている。
2月5日、なにわ侍ハロー東京!の初日を前に私は腹を括っていた。
もしデビューがなくても、その分俳優業でたくさん活躍してくれればいい。そうじゃないときは濵田くんや神ちゃんと歌ったり踊ったりトークしたりしてくれればそれでいい、と受け入れたところだった。
初日に行く勇気がなく流星くんのデビュー決定に立ち会えなかったのは未だに悔しさでいっぱいなのは置いておいて、とにかく初日以前の感覚とズンドコパラダイスを手にするまでの感覚がなわとなく似ていたのだ。
負を受け入れていたところに思わぬ幸せがやってくる。

そこでふと気付く。

DVDには映らない、ソロパートも貰えない…本当にこのデビューの仕方は正しかったの?と私が身勝手にも心の中で不満を漏らしていたこの1年で、流星くんは確実にそれを克服していた。
丸1年。丸1年かけて流星くんはようやく周りのメンバーと肩を並べた。私がやいやい言っている間に確かなものを手にしていたのだ。

2015年2月4日、私の中でひそかにこっそり「もうひとつのデビュー日」として記念日にしてしまおう、なんて考えている。

思いがけず「ズンドコパラダイス」は、かけがえのない1枚になってしまった。